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2013年度 活動報告 海事教育研究theSIS

1.第2回IAMU MARD Projectワークショップを開催
2.船員の色覚検査に関するワークショップを開催
3. 国際活動
4. 研究

1.第2回IAMU MARD Projectワークショップを開催
     「持続可能なMARDの発展」

  日時:2013.9.2-3    場所:神戸大学ブリュッセルオフィス


IAMU(国際海事大学連合) MARD(Maritime Academic Resource Database) Projectとは、国際的な海事ネットワークを構成するためのプロジェクトです。
今回のワークショップは、以下の3点を議題として討論を行いました。
1 人的資源と組織的な資源のデータベースの統合
2 現時点でのデータベースの評価とIAMU公式データベースへの発展
3 包括的なSTCW条約の審査後の海事教育・訓練・研究に関する問題


2.船員の色覚検査に関するワークショップを開催
  IMO(国際海事機関)のSTW(旧)・HTW(新)小委員会で検討中の海技者の色覚検査に関して
  日時:2014.1.20-21   場所:神戸ポートタワーホテル
  主催:神戸大学 海事科学研究科 国際海事研究センター/ 英国船員健康協会(IMHA)
  参加者:20名(内日本からは10名)

[ワークショップ開催の目的]
船員の資格証明や当直・訓練等に関する国際条約は「船員の訓練・資格証明・当直基準条約(STCW条約)」で定められており、2010年のマニラ改正時に視覚・色覚基準としてCIE143-2001 “International Recommendations for Colour Vision Requirements for Transport”(以下,CIE143と記す)を採用した。しかし実際の運用において,CIE143で指定された一部の色覚検査の検査機器の入手や検査の実施が非常に困難であること,業務上色判別がさほど必要でない機関士や通信士という船員に対してはCIE143の色覚検査レベルが高すぎる、などの問題があった。
IMO(国際海事機構:International Maritime Organization)は,CIE(国際照明委員会)に対して上記課題に対する改善案の検討を約2年前から依頼していたが、ほとんど進捗しなかった。STCW条約が次期改正となる2017年1月までに改善案の提示がなければ,身体基準に基づく船員の雇用が困難となり,船舶運航に多大な影響が生じるおそれが懸念される状況である。
一方日本では、国土交通省海事局がCIE143を参考に独自の色覚検査方法(石原表→パネルD15→特定船員色識別適正確認表)を2012年1月から採用している。今回の改善案に日本の方法を盛込みたいとの狙いもある。
以上から,2017年までに船員の色覚検査に対応した内容にCIE143を改訂することを目的としてワークショップを開催した。CIE143は交通分野全体を対象としているが,今回のワークショップでは、議論範囲を海上貨物輸送に関係する海上交通に限定した。

[日本からの講演内容]
 日本からは5件の講演を行い,色覚検査に活用できる既往研究を紹介した。
@国土交通省海事局が所管する色覚検査方法に関する紹介とその背景となった研究,および活用事例の紹介(中村、古莊)。質疑において,日本の検査方法の提案について否定的な意見はなかった。
A色覚異常を持つ人に好ましい色調の画像を提供する事を目的に,ある手法で色強調した画像情報の好ましさを評価した研究事例紹介(阿山)
また,CIE143の改正に関し,CIE第1部会と第4部会でのジョイントTCの設立の必要性とワークプランの提案。
B海上交通業務に必要な色覚について,業務における最低要件,視環境の影響が未だに充分に検討されていないことの紹介,そして、今後の業務従事者への色覚検査方法を検討する上で,これらの長期的な検討の必要性を指摘(河本、古莊)。
C色覚基礎研究者の立場から瞳孔反応を用いた色覚テストを提案した。他覚的手法であるため,心理物理学的手法よりも有効である点の指摘。(辻村)
D色覚異常を対象とした基本色に基づく色の組合せのISO策定に関する実験「類似色領域の 測定」の概要説明,およびその標準化の予定についての報告。色覚異常に配慮した製品や環境のデザインのための標準であり,色覚検査の提案ではないが,関連情報として発表。(伊藤,佐川:日本女子大学)

[ディスカッション]
緊急性を要する2017年までのIMOへの色覚検査方法の改善提案という短期的課題については,CIEの推奨を受けずに改善案を作成することとし,2014年2月17日からロンドンで開催されるIMO-HTW 1へワークショップの検討結果を報告する予定。
長期的課題であるCIE143の改正については,IMOとCIEとで共同で進めるとし、まずは,CIE第1部会と第4部会のジョイントTC発足に向けたレポーターシップを両部会に提案することとした。
[おわりに]
今回のワークショップを通じて,色覚検査のあり方を巡って,交通モードの違いによる適用基準の相違は大きく影響しないことが示唆された。さらに,船員の色覚に関する短期的課題の解決と人間の色覚メカニズムの本質に基づく基準作りに迫る長期的課題として策定された意義は大きいと言える。新たなTCの発足による課題解決に向けた取り組みを関係者と共に推進する。


3. 国際活動
古莊 雅生
・IMO-STW44 2013/04/29-05/03 London, UK
・MARD Project Workshop 2013/09/02-09/03 神戸大学ブリュッセルオフィス、ベルギー
・IAMU 14th Annual General Assembly, Constanta Maritime University, Constanta ROMANIA,
October 26th-28th, 2013
・ANC(アジア航海学会)2013/10/24、釜山, 韓国
・JICA アルジェリア国高等海運学校大学院教育・研究能力プロジェクト:短期専門家
2013/11/10〜11/24
・Workshop on the Colour Vision Test for Seafarers, 2014/01/20-01/21,神戸、日本
・JICA アルジェリア国高等海運学校大学院教育・研究能力プロジェクト:短期専門家
2014/02/23 -- 2014/03/04
・AIS Workshop, 2014/02/12, UTM(マレーシア工科大学)
・IMO-HTW1 2014/02/17-02/21 London, UK

大前 正也
JICA アルジェリア国高等海運学校大学院教育・研究能力プロジェクト:短期専門家 
   2013/04/13
04/19

JICA フィリピン国海上安全能力強化向上支援:有償勘定技術支援 
   2013/05/22
08/16及び2013/09/3010/25

JICA アルジェリア国高等海運学校大学院教育・研究能力プロジェクト:短期専門家 
   2013/11/0212/11

JICA フィリピン国台風ヨランダ災害緊急復旧復興支援プロジェクト詳細計画策定調査
  :調査団員(航海技術センター担当)2014/01/0701/11

JICA アルジェリア国高等海運学校大学院教育・研究能力プロジェクト:短期専門家 
   2014/02/0603/17


4. 研究
<博士論文>
・HARYANTI RIVAI:Personal Identification (PIN) Safe Model to Analyze Unsafe
Actions that Characterize Maritime Accidents(事故原因の解析に基づく海難分析に関する研究)
<修士論文>
・松本浩文:漁船搭載のClass B AISに関する研究(A Study on Class B AIS with Fishing Boat)
<論文等>
古莊雅生
・Strategic Identification of Unsafe Actions That Characterize Accidents on Ships
 Haryanti RIVAI・Masao FURUSHO
  Journal of Korean navigation and port research Vol. 37, Issue, 5, pp. 499-509、
 Korean Institute of Navigation and Port Research、2013.7
・A Study on Ship Accidents in Indonesia by Using 4 M Factors
  Wanginingastuti MUTMAINNAH・Kohei HIRONO・Masao FURUSHO
  The Proceedings of Asia Navigation Conference 2013、pp. 367-375、
 Korean Institute of Navigation and Port Research、2013.10
・The Availability and Subject of ClassB AIS For a Fishing Boat
  Hirofumi MATSUMOTO・Masao FURUSHO・Shinya SHIMOKAWA・Masatoshi SAKAIDE
  The Proceedings of Asia Navigation Conference 2013, pp. 131-138、
 Korean Institute of Navigation and Port Research、2013.10
・Proposal on Places of Refuge for NOWPAP
 Tetsuya YAMAJI・Masao FURUSHO
 The Proceedings of Asia Navigation Conference 2013、pp. 321-328、
 Korean Institute of Navigation and Port Research、2013.10
・地理情報システムを用いた海賊事件分析
 渡川真規 古莊雅生 若林伸和 小林英一
  日本航海学会論文集 第128号 pp.55-63、2013.3

鎌原淳三
・Takashi Nagamatsu, Tatsuhiko Ueki, Junzo Kamahara: Automatic User Calibration for   Gaze-Tracking Systems by Looking into the Distance, Proceedings of 3rd International Workshop on Pervasive Eye Tracking and Mobile Eye-Based Interaction (PETMEI 2013), 13 August, Lund, Sweden, In K. Holmqvist, F. Mulvey & R. Johansson (Eds.), Book of Abstracts of the 17th European Conference on Eye Movements, 11-16 August 2013, in Lund, Sweden. Journal of Eye Movement Research, 6(3), p.12
・Yusuke Ariyoshi, Junzo Kamahara, Naoki Tanaka, Katsutoshi Hirayama, Takashi Nagamatsu, Yuuichi Teranishi: Location-dependent Content-based Image Retrieval System Based on P2P Mobile Agent Framework, Proceedings of The 9th International Workshop on Mobile Peer-to-Peer Computing 2013 (MP2P 2013), 18-23 March., 2013, San Diego, USA
・田代 遥,中根正博,鎌原淳三,長松 隆: 6軸動揺タッチパネルの提案, 情報処理学会第76回全国大会予稿集(2014.3)
・山上 祥,青柳 西蔵,長松 隆,鎌原 淳三: P2Pを用いた類似画像検索の問合せ処理の設計と実装, 第6回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(第12回日本データベース学会年次大会)(DEIM2014)予稿集(2014.3)
・植木 達彦, 福田 薫子, 鎌原 淳三, 長松 隆: パーソナルキャリブレーションフリー視線計測装置の開発,
 ヒューマンインタフェースシンポジウム2013予稿集, pp.265-268, (2013.9)
・長松 隆, 植木 達彦, 鎌原 淳三: 視線計測装置のための遠方を見ることによる
 ユーザキャリブレーション手法, ヒューマンインタフェース学会研究報告集Vol.15.No.3,pp.65-68(2013.5).



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